山間地特有の棚田でのお米づくり
棚田とは限られた耕作地を効率良く利用するため、山の斜面や谷間の傾斜地に階段状に切り拓いた水田のことをいいます。日本にある約250万haの水田のうち約22万ha(8%)が棚田だといわれています。
一枚一枚の面積が小さく、傾斜地で労力がかかるため、中山間地域の過疎・高齢化にともなって、1970年代頃から減反政策の対象として耕作放棄され始め、今では40%以上の棚田が消えているといわれています。先祖代々伝わる美しい棚田と景観を守るために、昔からの知恵と創意工夫で懇切丁寧にお米作りに取り組んでいます。
魚沼産コシヒカリ・棚田米が美味しい理由
その一 日本でも有数の豪雪地だから土壌が肥沃。
その二 大自然の養分を沢山含んだ雪解け水が山から流れ出し、田んぼに注がれます。
その三 朝晩の寒暖の差が激しく稲穂の成長に適しています。
その四 花から実がなるまでの期間が長く、お米の旨みが成熟されます。
豪雪地帯のくびき、魚沼地域の田圃は3m近い雪の下に埋もれるため、地熱が外に逃げず暖かいのです。その為、良質なバクテリアが育ち肥沃な土壌を維持し続けられます。
水田にひく水は雪解けの清らかな湧水です。春になると雪はゆっくり溶け出し、天然のブナや杉林でじっくり濾過され地中ミネラルを多く含み、生活排水や他の田圃の農薬等が一切まざらない、清純な水が棚田に注ぎこまれます。
平野部に比べて朝晩の気温差が大きいため、稲がじっくり熟成し、旨みがぎゅっと詰まります。
一区画の田圃が小さく、大型機械が入らない為、手作業が多くなります。
その分、一つひとつの作業が丁寧に行われ、丈夫で質のイイ稲が育ちます。
にいがた農園倶楽部では、提携する生産農家より直送で、純度100%の魚沼産コシヒカリを皆様のお宅へお届けしています。味・安全性・品質ともに厳選された魚沼産コシヒカリをお楽しみください。
- 春 -
多いところで積雪3mとまだまだたくさんの雪が残っている3月。徐々に日も長くなり、穏やかな風が流れます。残雪の接地面からじわじわと溶け出し、天然のブナやナラ林に雪解け水が染み入ります。
4月、残雪も少なくなり、長い冬の終わりを告げるかのように、山々が彩豊かに芽吹き始めます。5月に入ると、山間地域の棚田には一斉に水が張られ、水面に映し出された頚城山系の山々が美しく映えます。遅咲き桜と残雪の見事なコントラストがみれるのもこの時期です。
- 夏 -
山の斜面に薄桃色の花をつけて咲き競うタニウツギの花が終わると夏が訪れます。7月下旬、梅雨明けと同時に本格的な夏になります。最高気温が30℃を越す真夏日も何日かあります。山の端にむくむくと発達する積乱雲(入道雲)が現れるのもこの頃です。積乱雲は、見る見るうちに広がって、雷がなり始めたかと思うと大粒の雨が地面をたたきつけるように激しく降り、気温も下がりほっとするのもつかの間、雨はやみ、また真夏の太陽がじりじりと照りつけます。
広葉樹の葉が茂り、林内が薄暗くなる初夏には、それに適応したイチヤクソウやツルリンドウが生育します。山野にはヤマユリ、ヒルガオ、コシジシモツケソウ、トリアシショウマ、ヨツバヒヨドリなどの花が咲きほこります。
6月20日頃からホタルが見られるようになります。標高差によって違いますが、7月の下旬まで飛び交う姿を見ることができます。
また、夏は最も多くのチョウが活動する季節です。まず目にとまるのは体の大きいキアゲハ、カラスアゲハなどアゲハチョウの仲間でしょう。カブトムシ、クワガタ、カミキリムシ、コガネムシなどの甲虫類も見られます。野鳥の仲間では、カワラヒワ、ホオジロが木々の梢でさえずり、ムクドリやツバメがせっせと巣材を運びます。川ではセキキレイが忙しく尾を振りながら飛び交う姿が見られます。
- 秋 -
8月も半ばを過ぎる頃、セミの声に変わってコオロギの声が聞かれるようになると短い夏の終わり秋の訪れを感じさせます。
9月中旬になると梅雨に似た長雨が降るようになり、台風と重なると時には豪雨となり大きな被害をもたらします。
秋は実りの季節であり、ススキの穂が風にゆれ、アケビ、アキグミ、クリなどの木ノ実が熟します。また、キノコは一年中生えているといわれますが、私たちの目にとまるのはこの季節です。種類も量も多いからです。
秋も終わりに近い頃、山の木々は色づきはじめ、日に日に彩りを変えていきます。山間地の谷すじではこの頃よく霧が発生するのもこの地方の特徴と言えます。
- 冬 -
青く澄みきった空とすじ雲がいつしか見られなくなり、暗雲が速く走るようになるとそろそろ冬の訪れです。これからが長い冬、そして雪の季節の始まりです。1990年以前は、11月半ばになると初雪が降りましたが、近年では11月下旬から12月上旬に初雪が降り、12月中旬には根雪になります。積雪の多い地域では1990年以前には4〜5mにもなりました。近年では、それでも3〜4mくらいで、根雪期間は3ヶ月以上となります。
山野の草や木はほとんど休眠状態に入り、昆虫の大部分は卵・さなぎ・幼虫のいずれかで越冬することになります。山野の哺乳動物は雪のない季節には、人里を離れて活動するのが普通でしたが餌の少ない冬は人里へおりてきた姿をたびたび見かけることができます。